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◇愛情教育、この指とまれ◇その44◇丸岡稔典先生の社会福祉系の授業vol.4 竹澤 伸一

 丸岡先生は以前、ゼミ生と協働で演劇づくりをしたことがあります。その際、演劇のプロを招き、手ほどきを受けたそうです。そこで丸岡先生が学んだこと。「演劇づくりは一種のグループワークで、つくりあげる過程で議論は必要だし、劇の完成という成果物も必要だけど、その1つ手前に、お互いの関係づくりがもっとも重要」。

 「お互いの関係づくり」つまり「一緒にやると楽しい」という関係づくりのことです。私はこのお話にはっとさせられました。いつの間にか日本(人)は、「成果を出すこと」に汲々とするあまり、「じっくり議論すること」、そしてその前提として「お互いの関係づくりをすること」を忘れてはいないか・・。

 丸岡先生は授業だけにはとどまらず、例えば地域のワークショップの中で、「隣の人と協働・協力する文化」を創りあげることを目標とされているようです。学生が地域企業にインターンシップに出かける時のサポートなど、まさにそれに当たります。もちろんインターンシップは就業体験なので、職場の上司との間には「垂直な関係」ができます。けれど同じ目標に向かって働く中で、より「水平な関係」ができてくるような気もします。丸岡先生の願いも、こんなところにあるのかなという気がしました。

(つづく)