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◇愛情教育、この指とまれ◇その134◇名産大のリアルな学生像 遠藤匠くん vol.2 竹澤 伸一

 「遠藤くん、だよね?」と私が思わずつぶやいたのには訳があります。そこには、私から見るとあまりにも豹変した遠藤匠くんの姿があったからです。自信に満ちたネクタイ姿。教育実習生というより、渉外業務に出ているエリート銀行員のような出で立ち。「はい、遠藤です。竹澤先生、本日は私のためにわざわざ出向いていただき、ありがとうございます。」

 およそ1か月前の「教育実習事前指導」の授業では、ラフな格好で、なんとなく自信がなさそうに授業をしていたのに・・。この変わりようは何なのだろう。「じゃあ授業なので、教室にご案内します。」遠藤くんを担当してくださっている先生に促されて教室へ。そして授業開始。

 開始5分で、私には遠藤くんの「自信」と「輝き」の理由がわかった気がしました。遠藤くんが目の前の子どもたちに質問(正確には授業では『発問』と言います。)します。パラパラではなくドッと手が上がります。答えを聞き取り、グループ学習に移行し、また次の発問へ。またドッと手が上がります。遠藤くんは36名いる子どもたち全員の名前を、フルネームで覚えていたのです。

 名前を正確に覚えることは、1人1人を大切にすること。基本中の基本。さて、では遠藤くんが、この「基本」を吸収できた訳は?

(つづく)