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◇愛情教育、この指とまれ◇その172◇アクティブラーニングは学生が主役 vol.2 竹澤 伸一

 「アクティブラーニングは能動的な学習」、「アクティブラーニングは大学で始まったのではない。」前回書いた2つのことです。特に2つ目のことは、少し考えればすぐわかることです。小学校低学年の授業を思い描いてみてください。「受動的な講義式の授業」など成立するはずもありません。小学校教師は、授業を成立させるために、もっと言えば、子どもたちを授業に参加させるために、実に多彩な「あの手この手」を駆使します。その全部がアクティブラーニングと言っても過言ではありません。

 ごくごく一般論ですが、中学校、高等学校、大学と進むに連れて、むしろ「アクティブ」から離れ講義式が増える傾向にあると思います。子どもが成長するに連れ、いわゆる我慢ができるようになるので、講義に耐えられるようになるためとも考えられます。だから今まで、講義の上に胡坐をかいてきた大学教員が、急にアクティブラーニング云々と言い出したのが真相だと、中学校教員歴30年の私は、皮肉を込めて見ている部分もあるのです。事実、かつての私の同僚で、アクティブラーニングを実践していなかった教員は皆無だと、自信を持って言えます。

 でも「学生を主役にする」ために、小・中・高・大のすべての教員が心しなければならないことが実はあるのです。そしてそれこそが落とし穴なのです。

(つづく)