NSU News

◇愛情教育、この指とまれ◇その230◇名産大新入生の夢をご紹介します。 vol.40 竹澤 伸一

 「生徒と一緒に夢を語れる教師」をめざしている兒玉啓哉くん。さらに「夢」のスケールが大きくなります。「世界を回って授業をしてみたい。そして1人でも多くの人々に、日本のことを知ってもらいたい。」まさしく「大志」です。

 私は兒玉くんに、私の年来の友人を紹介してみたいと思っています。T氏(仮名)としておきます。もともとT氏は、若い時はヤリ手の商社マンでした。しかし、ある悲しいできごとをきっかけに人生に絶望し、逃げるように日本を離れ、海外を放浪します。そして、偶然、アジアの大国に行き着き、大きな町で路上で生活する何百・何千という子どもたちに出会いました。その子どもたちは、その国の古来からの慣習で、社会の中で一生チャンスを与えられることはありません。でも、それでも毎日懸命に生きているのです。

 T氏は、ふと思い立って、その子たちを街はずれにある共同利用施設に集め、英語を中心に、日常生活に役立ちそうな知識を教え始めました。学校に行く機会がなく、1日の大半を無為に過ごしていた子どもたちは、口コミで次第に集まるようになりました。その数、何十、何百、何千・・。約30年経った今では、T氏は、1万人に迫る子どもたちの面倒を見ています。

 「生徒と一緒に夢を語れる教師」。この「大志」を、兒玉くん、ぜひ持ち続けてくださいね。

(つづく)