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◇愛情教育、この指とまれ◇その246◇名産大新入生の夢をご紹介します。 vol.56 竹澤 伸一 

 「中学校時の友だちの大切さを伝えたくて、中学校教師をめざしている」鈴木天斗くんの「夢」の裏付け。

 つい先日の「教育原理Ⅰ」の授業。西洋教育史の巨人の1人であるルソーを取り上げました。ルソーは主著の1つである『エミール』の中で、主人公「エミール」の誕生から結婚に至るまでの成長の足跡を、5つの段階に活写しています。即ち「乳児期」「幼・少年期」「少年後期」「青年前期」そして「青年後期」の5つです。

 思うに中学生は「少年後期」の前半部分に、鈴木くんも含めた大学1年生は、「青年前期」から「青年後期」に移り変わる時期に当てはまるのだろうと思われます。よって鈴木くんは、「青年期」から「少年後期」を振り返りながら、中学生の心情を思い遣っているのだろうと推察できます。

 鈴木くんは授業中、ルソーの教育思想に触れ、他の教育思想家に対する思い以上に、ルソーに共感しました。そして、自分の現在の立ち位置から、中学生としての立ち位置を振り返って、改めて中学校教師の重要性を語ることができたのです。

 単に一方的に、教育思想家について紹介し、ましてやその治績を無意味に記憶させるような講義では、鈴木くんのような、教師としての教育実践に結びつくような反応は出てきません。鈴木くんは、まさに「知行合一」の人です。

(つづく)