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◇愛情教育、この指とまれ◇その289◇名産大2年生の成長物語をお届けいたします。 vol.29 竹澤 伸一

 「名産大に入学して、それまで出会ったことがないタイプの人たちと触れ合って、色々影響を受けました。」こう語るのは篠原竜也(シノハラ タツヤ)くん。バリバリの野球選手です。

 篠原くんは言います。「ふだん、野球部の練習中のコミュニケーションの取り方には、難しさは感じません。長いこと野球をやってきた経験値が作動して、たとえ言葉を発しなくても、お互いに伝えたいことはだいたいわかります。いわゆる、以心伝心というやつでしょうか。」ここで篠原くんは、いったん言葉を区切りました。

 「しかし、名産大には、全国各地から様々な文化みたいなものを背負った人たちが集まっています。もはや以心伝心は通じません。私は、元来、コミュニケーション力は高いほうだと思っていたのですが、ある授業では、もちろん日本人同士なのに、思うように話し合いをすることができませんでした。本当に、カルチャーショックでしたね。」

 篠原くんは、一瞬悔しそうな顔を見せました。「そんな中、別にチーム競技なんか何もやってこなかった学生が、いとも簡単に話し合いの輪をつくるんですね。天性のものなのか、何かの方法で鍛えてきたのか、じっくり観察して、盗めるところは盗んでやろうかなと思っています。」まるで盗塁を伺うランナー。さすが野球選手ですね。

(つづく)