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◇愛情教育、この指とまれ◇その390◇明日への飛躍をめざして 名産大3年生物語 vol.50 竹澤 伸一

 「大学への入学をきっかけに、教員免許の取得を真剣に考え始めました。教員という仕事は、生徒や保護者、そして同僚や上司と、頻繁にコミュニケーションをとらなければなりません。もともと口下手であった私が、とにかく自分を変えようと意識するようになったのは、教員免許取得の意思が固まったからでした。」こう語るのは廣島大基(ヒロシマ ダイキ)くん。竹澤(私)ゼミ生の登場、4人目となります。

 廣島くんは、関西地方のある県の特色ある都市で生まれ育ちました。しかし、高校生の時、一念発起し、ある競技スポーツを極めるために、単身、他県の強豪校にスポーツ留学を果たしたのです。もともと小学生の頃から、その競技では活躍していたのですが、大人の都合でチームは解散するわ、その後もチーム内のゴタゴタに巻き込まれるわで、疾風怒濤、波瀾万丈の生活を続けてきたのでした。中学校の教員をしていた私には、その嵐の中で何とか自分を保ってきた廣島くんの心情が、よくわかります。

 高校生の時、ようやくプレーを全うでき、その競技のご縁もあって、名産大に着陸しました。そこで、まるで氷が溶けるように、コミュニケーション能力が向上してきたのだと思います。「疾風怒濤」の頃は、人間不信に傾きかけていたところもあったのでは、と推察していますが、名産大を照らす温かい太陽に触れて、伸びやかな心が育ってきたのでしょう。多くの仲間に恵まれた、廣島くんの成長物語を紡いでいきます。

(つづく)