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◇愛情教育、この指とまれ◇その434◇まもなく社会人 名産大4年生物語 vol.4 竹澤 伸一

 「私たちも、本当にたくさんのサッカープレーヤーと接してきましたが、岩本くんほど、誰とでも分け隔てなく接することのできるプレーヤーは、そうそういないと思いますよ。」授業の合間に、色々な学生と会話していると、よく岩本くんの話が飛び出します。

 岩本雄喜くん、とにかくあらゆる人々から慕われています。「そう言えば、岩本くんが誰かと言い争いをしている姿を見たことがありませんね。」「一言でいうと、岩本くんは『いい奴』なんですよ。自分を作ってないというか、演じてないというか、たぶん根っからの『いい奴』なんだと思いますよ。」

 そう言えば、思い出したことがあります。岩本くんが、私の授業に参加していた時のこと。ディベートのトーナメント戦の時です。ご存知のように、ディベートは相手(のチーム)を打ち負かしてナンボの勝負です。ですから、ルール内であれば、相手の虚を突くことや、弱みを叩くことは「有り」です。

 ところが、岩本くんは、まず相手の言動をいったん讃えるのです。もちろん、その後に反論はするのですが、まず相手を受け容れるところから始めるのです。

 この姿勢は、作ったものではないような気がします。まるで横綱相撲のような気もしています。横綱の本当の強さは「受けの強さ」。ガッチリ受け止めておいて捌く(さばく)強さです。岩本くんの懐(ふところ)の深さ、感心しきりです。

(つづく)

 ※次回の掲載は、新年の1月4日(金)になります。