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◇愛情教育、この指とまれ◇その448◇まもなく社会人 名産大4年生物語 vol.18 竹澤 伸一

 「私が、卒業研究のテーマを思いついたきっかけになったのは、丸岡稔典先生の『地域産業論』の授業です。その授業の中で、『限界集落』という言葉が出てきました。この言葉をもとに、私の研究が始まったのす。」松永拓史くんは、記憶を振り返りながら語ります。

 さて、「限界集落」とは何でしょう。一般には、少子高齢化の進行によって、例えば山間部の集落などでは、人口の50%以上が、65歳以上の高齢者で占められ、冠婚葬祭などの共同体の機能を維持するのが、著しく困難になっていく集落のことを言います。最初は集落単位にとどまっていたものが、やがて市町村などの自治体全体に広がっていくことが懸念されています。

 「地域産業論」の授業では、地域起こしや、地域資源を活用したビジネス戦略などに触れた後で、「地域格差と過疎化」について考えてもらう過程で、「限界集落」の話題になったものと考えられます。

 緻密で丁寧なモノづくりを志向している松永くんなので、「限界集落」化によって、「モノづくり」の文化が失われていくことに、幾ばくかの寂寥感(せきりょうかん)を感じたのではないかと、勝手に想像してしまいました。

 名産大では、卒業生が全員、卒業研究の発表をします。さて、松永くんの研究がどのように結実したのか、楽しみが尽きません。

(つづく)