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◇愛情教育、この指とまれ◇その518◇アクティブラーニングはやっぱり学生が主役 vol.18 竹澤 伸一

昨日も数名の学生が、私の研究室を訪ねてきました。ES(エントリーシート)や履歴書の相談です。あるいは企業面接の練習です。名産大の、すべての学生が私のお客さま。千客万来、至福のひと時です。

ひとしきり相談を終えた時、ある学生がこんなことを言い出しました。「先生、先生が追究しているアクティブラーニングですが、『記述型アクティブラーニング』ってあると思いますか?」

「ふーん」と私はつぶやきました。私が心底嫌いな「垂れ流しの講義」は、それこそ90分間「聞きっぱなし」です。「記述」と言っても、「ノートを黙々ととるだけ」に終始します。でも、その学生に、よくよく話を聴いてみると、その授業は「聞きっぱなし」ではありません。

「大気循環と環境情報ビジネスの関係性」をつかむのが、その授業の目的です。「大気圏の構造」「地球全体の熱収支」「断熱変化」「大気の安定・不安定」「大気拡散と気象条件の関係」・・というワードが並ぶ、何やら面白そうな授業です。最初の授業全体の目標にある通り、いわゆる大気という自然現象を、ビジネスに絡めて解明するというコンセプトがあります。

その学生が語ってくれたところによると、先生は解説を終えると、「今、伝えた内容を、なるべくわかりやすい自分のことばに翻訳して、友だちに伝えることができるように文章化しなさい。」と促すそうです。それを「小テスト」と称して。

なるほど、確かに「記述型のアクティブラーニング」ですね。「平易な言葉で伝える努力」は、社会人基礎力の育成にもつながりますね。

(つづく)