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◇愛情教育、この指とまれ◇その526◇アクティブラーニングはやっぱり学生が主役 vol.26 竹澤 伸一

「スクールカウンセラーって本当に大変なんですね。」研究室で、ある学生がしみじみと言いました。「不登校でしょ。いじめも絶えませんし。発達障害の子どもも増えてきているみたいだし。非行問題も色々あるし。SNSの問題も起こっているし。この前なんか、親の虐待で子どもが亡くなっているし。子どもだけではなく、保護者への対応も必要だし・・。カウンセラーが務まる方って、よほど我慢強い人なのか、心が強い人なのですね。」

この話を聞いた別の学生たちも、「うーん」と唸ってしまいました。

私は、中学校の現職教員の時、スクールカウンセラーの方と頻繁に連携を取り、数えきれないほど助けていただきました。「我慢強さ」もさることながら、人間、特に子どもに対する深い洞察力に、何度も驚かされました。

学生たちの話は、「ある授業」に関する話題がきっかけでした。その授業は、カウンセリングの知識と技法を学ぶ授業です。ひとしきり、その授業について感想を述べ合った後で、ある学生が、こんなことを言いました。

「先生、先生は子どもからの相談を受ける時、その子どもの正面に座りますか?斜め前に座りますか?それとも横に座りますか?」そら来たな、私は今、試されているのだなと思いました。読者の皆さま、正解はどれでしょう?「正面?」「斜め?」「横?」

この授業は、カウンセリングの演習もする授業です。今、学校現場では、カウンセラーのプロフェッショナルではなくても、1人1人の教員が、カウンセリングマインドを持つことが求められています。先ほどの問いの答えは、あえて記さないことにいたします。

(つづく)