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◇愛情教育、この指とまれ◇その532◇アクティブラーニングはやっぱり学生が主役 vol.32 竹澤 伸一

「教職実践演習」という授業用に私が作成している「ショートケース」には、学校現場で起こる様々な「事件」がドラマ化されています。「いじめ」「体罰」「不登校」「(残念ながら)教職員の不祥事」「教職員のメンタルヘルス」「研究・研修」・・。

こうした学校現場で起こる「ドラマ」には主人公がいて、まさに私の「分身」として奮闘しています。その「主人公」が、その「ケース」にぶつかった時、「あなたが、その主人公なら、どう思う?どう判断する?どう行動する?」と質問していくのが、「ショートケースメソッド」という「アクティブラーニング」なのです。

最初に、「傾聴」から入ると書きました。この授業を取っている学生には、前週の終わりに次週の「ショートケース」を手渡ししてあります。それを予め読んで参加した学生に、「君がこのケースの主人公だったらどうする?」と問います。根拠有り無しに関わらず、参加した学生は自分の見解を述べます。私は、それらを一切否定せず、すべて受け入れます。「傾聴」の次の「承認」です。

でもここから矢のような「質問」が、私によって学生たちに浴びせられます。学校現場は、教育基本法や学校教育法、あるいは教育公務員特例法・・などの教育法規や、歴代の先達たちが培ってきた「経験則」によって動いているので、それを示す参考資料を手掛かりに、学生たちは「ああでもない、こうでもない」とディスカッションを始めます。時々そこに私が割って入って、議論を制御したり促進したりします。私は、学生を「質問」攻めにしながら、同時に「評価」していきます。

この「傾聴」「承認」「質問」「評価」という過程が、「ショートケースメソッド」の基本形です。文字通り、息つく間がない感じで授業は進行していきます。

(つづく)