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◇愛情教育、この指とまれ◇その536◇アクティブラーニングはやっぱり学生が主役 vol.36 竹澤 伸一

「ショートケース 俺って先生になれるのかな?」のラストの部分です。

「樋口君、ちょっと聞くけど、君が迷っていることに対して、峰村さんはどう思っているのかな?」樋口は突然、峰村麻衣の名前を出されて顔が火照るのを感じた。『先生、なんで峰村さんのことなんか。』竹田は笑った。『何を今さら畏まってるのさ。麻衣ちゃんでいいじゃない。2人はもう付き合って長いよね。樋口君のこと以上に樋口君を知っているのは麻衣ちゃんだし。』樋口は観念するように言った。『麻衣は尾張旭市役所から内定をもらって、行く気満々で。私は尾張旭市とは限らないですが、どこか近くの中学校に勤めることになるでしょうから、卒業後も今まで通り会えるねって言ってます。もちろん相田先生のことも一緒に考えてくれてて、うじうじ悩んでいるより、直接会いに行っちゃえばいいじゃないって言ってくれてます。』樋口は照れながら、ここまで言った。『賛成。もうこの足で、聡先生のところに話を聞きに行きなさい。教育委員会だって警察だって馬鹿じゃない。いずれ真相ははっきりするさ。お世話になった先生なんだから、今度は、「自分は合格しました。」って伝えて、ご恩返しすべきだよ。』樋口は大きくうなずくと席を立とうとした。その時、竹田はこう言った。『教務課の守口さんと、学部長の蔡先生に報告してから行きなさい。お二人には単位のことでずいぶんお世話になっているよね?』

さて、4回にわたって「ショートケース」をご紹介いたしました。「事実に基づいた創作」です。この「ケース」、色々活用できます。もちろん知識面では、地方公務員法等を「使えて説明できる法律」にする必要があります。でも、物語の筋を追っていくと、樋口君がとるべき行動に、考えどころがあるのです。

(つづく)