NSU News

◇愛情教育、この指とまれ◇その537◇アクティブラーニングはやっぱり学生が主役 vol.37 竹澤 伸一

「ショートケース 俺って先生になれるのかな?」を教材とした授業は、大変熱を帯びました。地方公務員法における「信用失墜行為」の検討、学校教育法における「懲戒か体罰か」の問題、教育公務員特例法における「研修への参加」の問題等、「ケース」をきっかけとして議論が白熱しました。

そんな中、ある学生がふとつぶやきました。「あのさ、樋口君って、相田聡先生に、本当に会いに行っていいのかな?」このつぶやきに対して、他の学生たちが次々と口を開きました。

「いいに決まっていると思うよ。自分の恩師が、体罰のぬれぎぬを着せられて困っているんだろ?一番の教え子が、採用試験に合格したのを知ったら、聡先生、大喜びして、きっと元気になるよ。」

「大学の教職課程担当の竹田教授も、相田先生に樋口君が会いにいくことを勧めているよね。気持ちの優しい、いい先生だと思うよ。」

「彼女なのか、恋人なのかな、峰村さんという人。やはり樋口くんに、相田先生に会いに行くことを提案しています。私も、自分の彼氏が同じ立場だったら、一にも二にも背中を押すと思います。」

こうして、1人の学生の「つぶやき」をきっかけに、教室中に発言の輪が広がっていきました。このような際には、私は、学生の言うがままに任せておきます。下手に合いの手を入れたり、口を差しはさむことはせず、流れに任せます。

しばらくすると、「つぶやいた」学生が私に目線を送ってきました。どうやら形勢が大劣勢で、私に救いの手を求めているようです。私は「シメシメ」と思いました。

(つづく)