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◇愛情教育、この指とまれ◇その544◇アクティブラーニングはやっぱり学生が主役 vol.44 竹澤 伸一

竹澤ゼミの新4年生のもう片方のグループが、ゼミの研究誌『最新現代ビジネス研究』に寄せた論文のタイトルは、「いじめは絶対的経済的損失という思考」です。4人の研究同人は、それぞれ、「教室の中で悪魔になり得る子ども」「スクールカースト」「ネットいじめ」「いじめ防止人間関係プログラム」というパートに分かれて、研究分担し、「トレーニング」班と同じく、文献研究、調査、パート原稿作成、集約後に学術論文に1本化という手順を踏んで、研究を進めていきました。

この4人のゼミ生は、出身県の教員採用試験を受験します。その前に、母校を中心として教育実習に出かけます。試験の面接や小論文で、あるいは教育実習の現場で、自分たちが調べ、考え、創り上げた指導案(道徳・特別活動・総合的な学習の時間等で活用可能)を活用できればと思います。同時に進めている民間企業への就活でも、「いじめ」は直接活用できないにしても、「人間関係のもつれの修復」という観点で、自分たちの研究を表現することは可能です。

ところで、「いじめは絶対的経済的損失」という意味を、読者の皆さまはおわかりになりますか?私も含めた5人が考えたことは、いじめの被害者は最悪命を失うから、その経済的損失は計り知れないという考え方です。いじめを倫理や道徳で語るのではなく、あえて経済で考えました。いくら倫理や道徳で語っても、「いじめ死」は後を絶たず、それならばいっそのこと、「いじめは経済的に割に合わない」と開き直って考えさせたら、少しは抑制につながるのではないかと考えたのです。

すでに私は、彼らの共同研究を実証すべく、複数の学校現場の先生に、授業を中心とした取り組みをお願いしてあります。小さな研究室から、実践の輪が広がりつつあります。

(つづく)