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◇愛情教育、この指とまれ◇その899◇紙上討論、アクティブラーニングについて本音で語り合う。 vol.19竹澤 伸一

「アクティブラーニングについて本音で語り合う」5人による討論は、最終盤に差し掛かってきました。「アクティブラーニングの一般的特徴」の5番目には、「学生が自分自身の態度や価値観を探究することに重きを置く」とあります。この文面を見た私を除く4人の討論者は、しばらく黙り込みました。2番目の「スキル育成」や、3番目の「高次の思考への関わり」、さらに4番目の「読む・書く・議論する等の活動」に比べて、「態度や価値観の探究」は、ギアが1段階上がったような気がしたからだと思います。

沈黙を破ったのは、中学校教師のMさんでした。

M「私がふだん接している中学生が、自分自身の態度や価値観を探究する場面として思いつくのは、総合的な学習の時間だと思うんですね。特に私自身、2年生の職場体験の担当でしたので、中学生が職場体験を通して目の色が変わっていく場面をたくさん見てきたので、そう感じるんだと思うんですが・・。」

すかさず高校教師のSさんが反応しました。

S「M先生のおっしゃること、良くわかります。高校生だと、それがインターンシップになります。」

続いて、就活コンサルタントのYさんも応じました。

Y「大学生だと、ずばり就活ですね。」

商社勤務のKさんも、大きくうなずきながら、言葉をつなぎました。

K「もちろん就活もそうですが、私は海外インターンシップを通して、自分自身を見つめ直しました。」

私は、4人の方々の発言を受けて、少し興奮気味にこう言いました。

竹「スキルも思考も活動も、詰まるところ主体的な自分自身の態度や価値観の探究に集約されるんですね。そしてそれは大学生なら、社会への出口である就活に集約されると言っても良いのでしょうね。」

そう言って私は、さらに言葉を継ぎ足しました。

竹「でも、アクティブラーニングの『一般的特徴』の最後、6番目は、『認知プロセスの外化を伴うこと』と言っています。就活は、あくまでも個人ベースのものですが、就活を通して学生が身に着けた『態度・価値観そして認知プロセス』を外化させて共有しないと、みんなの財産にはなりませんよね。」

(つづく、あと101回)