◇愛情教育、この指とまれ◇その32◇荒川真吾先生のトレーニング論、他の授業vol.3 竹澤 伸一

 荒川先生の「健康とスポーツ」(実技)の授業は3部構成になっています。第1部「範示」。荒川先生が自らやってみせます。第2部「学び合い」。学生がグループを組み、自分たちで目的・目標を作り、メニューを考え演じます。第3部「振り返り」。成果を様々な方法で測定した後、改善点を話し合います。まったく無駄のない、実に合理的な進行です。

 「トレーニング論」の授業も同様。説明・学び合い・発表。「学び合い」の場面ではリーダーを中心に情報収集し、知恵を出し合ってスライドの資料を作り発表し、最後は自己評価します。学生は次に何をやったら良いのか完全に見通せるので、迷いがないし、それぞれのプロセスで深い学びが得られます。

 再び実技。例えば球技の授業。「試し合い」のための試合もおこないます。座学で学んだ、あるいは「学び合い」を通してつかんだ運動理論を試す場です。「お前、へたくそやなあ。」遠慮のない、しかも明るい声が飛び交います。「学び合い」で培った信頼関係があるからこそ飛び交う「温かい声かけ」です。

 このように荒川先生の授業には、常に理論と実践(実技)の往還が成立していて、しかも学生同士が創る「温かい空気」が流れているのです。

(つづく)