◇愛情教育、この指とまれ◇その33◇荒川真吾先生のトレーニング論、他の授業vol.4 竹澤 伸一

 荒川真吾先生は言います。「スポーツ選手って本当にいいですよね。自分の周りにいる人間、自分と付き合っている人間、自分が関わっている人間に対して、気配りができ、手助けができるんですよ。」うーん、大いに共感。中学校教員として、剣道部顧問歴約30年の私にはストレートに伝わってくる言葉です。スポーツ選手は競技を通して、人の喜び、人の悲しみ、人の痛みを直に知るのです。

 「スポーツ選手は、自分と(直接・間接は問わず)関わる人々を支え、応援する感性を持つことができる存在」。荒川先生のお話を伺って、荒川先生の授業を拝見して、荒川先生の授業の感想を記した学生を通して、先生の学生に寄せる期待・願いが伝わってきました。一流のスポーツ選手は、一流であるからこそ「支え・支えられ」の関係を感得することができるのでしょう。だからいつもアスリートは「感謝」の言葉を口にするのです。

 荒川先生の授業紹介の最初に、「スポーツで飯が食える人間に育てたい。」がありました。これは単にプロスポーツ選手になって生活するという意味だけではありません。スポーツを通して人々の生活を支える、即ち社会貢献ができる人材育成を意味しているのです。社会のあらゆる場面で「気配り・手助け」ができる人は、間違いなく人から愛されます。

(つづく)