株式会社名古屋産業大学グリーン・ソーシャルビジネスを設立
- 2011年5月11日
- （取り組み報告）
「株式会社を教室に」 学内に設立
政府の新成長戦略では、日本経済の成長を牽引する戦略分野の一つとして、グリーン・イノベーションによる新たな市場の開拓と雇用創出が望まれています。その一方で、大学教育においては、昨今の厳しい雇用情勢等を踏まえ、大学生の社会的、職業的な自立に関する指導等（キャリアガイダンス）の推進が求められています。以上のような背景の中で、大学生が環境ビジネスを実践的に学び、低炭素社会の実現に貢献する場として、「株式会社名古屋産業大学グリーン・ソーシャルビジネス（以下、名産大GSB）」を設立しました。
名古屋産業大学は、平成12年4月、全国唯一の「環境情報ビジネス学部」を設置する大学として開学しました。ビジネスを基盤とし、環境と情報の知識を複合的かつ実践的に学べる点に教育上の特色があります。また、近年では、建学の精神に基づくキャリアガイダンスの充実を図るため、文部科学省の「大学生の就業力育成支援事業」の採択を受け、企業と連携した実践型学習の導入やインターンシップの充実等を通じて、環境情報ビジネス人材を育む「共育課程」の編成に取り組んでいます。
名産大GSBは、名古屋産業大学の「共育課程」の一環となるもので、伊藤雅一学長が一般社団法人日本CO2濃度マップ普及協会に参画する企業経営者に対して、共育への協力を呼びかけ、設立に至ったものです。環境ビジネス関連企業との連携のもとに、大学生が名産大GSBの社員となって会社を運営し、CO2をテーマとしたソーシャル・ビジネス（社会的事業）を展開します。なお、同協会は、「CO2濃度マップに基づく環境教育」の全国的な普及を目的に設立された産学連携の組織です。
名産大GSBの事業スキームとしては、低炭素社会の実現に貢献する環境教育の普及を図るため、企業や地方自治体等を対象にLED照明等による省CO2化を支援し、これに伴う収益を環境CSR（企業の社会的責任）として活かすという新たなビジネスモデルの構築をめざしています。名古屋産業大学では、東海3県を中心とする小・中学校、高等学校等との連携のもとに、学校周辺のCO2濃度を調査し、その成果をCO2濃度マップにまとめ、地域環境、地球環境への関心と理解を高める環境教育プログラムの開発とその実践に取り組んできました。この「CO2濃度マップに基づく環境教育」を受講した児童・生徒は2,000人を超えており、CO2濃度測定局の設置とこれを結ぶCO2濃度常時測定システムの整備も進められています。
名産大GSBでは、環境ビジネス分野の実践的なインターンシップ制を導入し、株式会社の仕組みを学習する機会の提供やPBL（Project Based Learning）型の企業講座の開催、これに基づく省CO2化の提案及び実施を通じて、環境ビジネスの即戦力となる人材の育成に取り組みます。そして、事業収益については、CO2濃度測定局の拡大とこれに基づく環境教育の普及など、低炭素社会への貢献と学生支援に還元していきます。
今後の予定としては、5月17日（火）に名古屋産業大学にて設立記念フォーラムを開催します。その後、同大学のゼミナール教育の一環として企業講座を定期的に開講するとともに、夏季休暇等を利用して、学生が事業企画の作成や提案活動などに取り組みます。その際、企業講座については一般公開し、環境ビジネス、環境CSRに関心を持つ人々の幅広い参加を促していきます。なお、同大学では、平成24年度にスタートする新カリキュラムにおいて、3年次春学期（4月～9月）対象とした長期インターンシップを実施する予定です。また、希望する学生には3年次秋学期以降についても、会社運営に継続的に参画できる体制づくりを計画しています。[会社概要]
■ 社名 株式会社名古屋産業大学グリーン・ソーシャルビジネス
■ 所在地 愛知県尾張旭市新居町山の田3255-5 名古屋産業大学内
■ 設立 平成23年3月28日
■ 資本金 100万円（平成23年3月28日現在）
■ 代表取締役 伊藤雅一（名古屋産業大学学長）
■ 監査役 日比谷平四郎
■ 取締役 増田博美、高木祥太
■ 事業内容
(1) CO2濃度の測定など環境の改善に関する調査、研究事業
(2) CO2濃度の測定器など環境の改善、保全に関する機器の販売、設置事業
(3) CO2濃度の研究など環境の改善に関する人材の指導、育成事業
