自分の街の産業を知ること
- 2012年2月22日
- (コラム就業歳時記)
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自分の生まれた街の産業について知識を深めたうえで就職活動を始めている学生は、いったいどれくらいいるのだろうか。中学校の社会科の時間に、自分たちの街のことをテーマに学習することがあるようだし、高校では総合的な学習の時間に地元の企業訪問をしているところもあるように聞く。自分の街で就職しようと思わなければ、自分の街の産業について関心が無いのも仕方がないのかもしれないが、他県で働いているときに、自分の故郷の産業について全く無知であるというのもいただけないような気がする。
ところで、自分の故郷を離れてから長い期間が過ぎてしまった人々にとっては、青年時代とは大きく変貌してしまった故郷の姿は驚きの対象なのかもしれない。愛知県では、企業誘致がし易いように開発行為を緩和しようとする動きがあるようだが、日本経済が停滞している昨今の状況では、新たな企業が進出してきて驚くよりも、老舗の企業が姿を消してしまっていて驚くことも多くなりかねないのである。
日本の総人口が増加から減少に転じ、高齢者が急増する中で、自分が生まれて育った街への若者の関心や愛着が薄れていくことは、大変残念なことである。企業活動が経営者の判断に委ねられていることは認めざるを得ないことではあるが、自分の街の産業の実状をまず知ることから始めて、自らの人生における就職というものを位置づけて欲しいものである。
学生支援推進部会 加藤哲男