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◇愛情教育、この指とまれ◇その231◇名産大新入生の夢をご紹介します。 vol.41 竹澤 伸一

 Hくん(仮名)の「夢」。「中学校の体育教師になること」。しかし、「プロのサッカー選手になること」もあきらめてはいません。そのため、Hくんは毎日、大学サッカーのフィールドに立ち続けています。

 やはりHくんも、「二兎」を追いかけています。そこで、参考になるかどうかわかりませんが、私が中学校教師として最後の勤務校で出会った、ある若手の体育教師の話をいたしましょう。

 その体育教師は、サッカーに比べたらはるかにマイナーな球技の選手。早くも中学生の頃から頭角を現していました。ただ、身内にその球技のカリスマがいて、事実上のコーチでもあったため、学生の頃から常時、強いストレスを与え続けられ、もがき苦しんできました。けれども、そのストレスから決して逃げることはなく、教員採用試験に数年挑戦をし続けて、とうとう正規教員の座を手に入れたのです。

 中学校の体育教師になってからも、その球技の国体選手と、部活動の顧問という「二足の草鞋(わらじ)」を履き続けました。即ち、現役教師になってまでも、「二兎」を追い続ける生活は、いささかも変わってはいないのです。国体選手とカリスマ(彼はすでに、こう呼ばれるようになっています。)顧問。もしかしたら、Hくんのめざすべき道に近いのかも知れません。

(つづく)