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◇愛情教育、この指とまれ◇その274◇名産大２年生の成長物語をお届けいたします。 vol.14 竹澤 伸一
Ａくん（仮名）は、いわゆる社会人入学で名産大に着陸しました。年齢は３０歳を超えています。恐らく常人（ふつうの人）では、金輪際体験できないような、過酷な体験を経て、私たちの前に舞い降りてきました。
Ａくんの同級生はひと回り年下の二十歳前後。だからＡくんは、まず彼らの聞き役になります。様々な体験を通して、コミュニケーションに長けたＡくんなので、歳の離れた弟・妹の悩み相談を、自然に買ってくれています。
人間、三十路を超えても悩みは尽きません。還暦まであと一歩の私でさえ、たくさんの悩みを抱えています。こうした「ステージごとの葛藤」を抱えた者が、うんと年下の大学２年生と同じ空間を過ごしている。考えてみれば、大学って不思議なところですね。
だからでしょうか、Ａくんは、日々「人間観察」を常としているそうです。名産大のキャンパスを歩いている、二十歳前後の若者の考えに触れるために、まずは彼らをよく「観る」ことを大事にしているそうです。
こういう会話をＡくんとしていると、私もかなり勉強させられます。私自身、学生たちをよく「観て」いるのか、大いに反省させられます。世界中の人々、様々な習慣や文化を持った人々と接してきたＡくんだけに、ひと言ひと言が実に重くて深いのです。ふた回り以上年下のＡくんから学ばせてもらうことを、いつも楽しみにしています。
（つづく）