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◇愛情教育、この指とまれ◇その535◇アクティブラーニングはやっぱり学生が主役 vol.35 竹澤 伸一

さらに「ショートケース 俺って先生になれるのかな?」の続きです。

「『相田先生は厳しいけど、間違っても体罰なんかする人ではありません。それを地方公務員法違反だとか、学校教育法第11条違反だとか、果ては教育公務員特例法第21条違反だとか、連日、地方紙あたりが取り上げて・・。』『ん、樋口君、ちょっと待って。地方公務員法や学校教育法はわかるけど・・、他紙なんか刑法の傷害罪とか書いているのも見たけど・・、なんで教特法が出てくるのかな?』『教育実習でお世話になった相田先生の弟さんの剛先生に電話した時に聞いたんですけど、実は体罰があったと言われている部活の日、聡先生は教育センターへの出張日だったことをコロッと忘れていたらしくて・・。もともと部活命の先生ですから・・。でも、わざと研修に行かなかったということことじゃないと思います。』竹田は改めてなるほどなあと思った。樋口から見れば、相田教諭の人となりがわかっているだけに、体罰だと騒ぐ保護者たちは理不尽だと思えるのだろう。そこで、教員になって野球部の顧問になるんだと、決意を固めていた出鼻を挫かれて、教員になることへの迷いが生じているに違いない。」

ごめんなさい、ここで最後の一休みです。読者の皆さま、気づかれましたか?主人公である樋口君の物語を追いながらも、学校現場で頻繁に登場する地方公務員法、学校教育法、教育公務員特例法・・に、学生を巧みに誘導しています。よく、いわゆる教育法規について、逐条解説によって砂を噛むような講義をしている教員を見かけます。私は決して講義はせず、「学校現場のリアルな物語」に学生を入り込ませることで、「生きた教育法規の検討」をさせます。

法律などの知識は、詰め込みではなく「使ってこそ」が定着の鍵です。

(つづく)