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◇愛情教育、この指とまれ◇その633◇令和の時代を楽しもう。名産大2年生物語  vol.03竹澤 伸一

「1年生の時に、ある事に挑戦しなかったんですよ。後悔先に立たずって言いますけど、本当にそうですね。」伊藤和哉くんは、実に悔しそうに言います。

「ねえ、伊藤くん、『ある事』って何さ?」相変わらず、私は突っ込んでばかり。

すると、少しはにかみながら伊藤くん、こう切り出しました。「せっかく大学生になったんだから、将来のことを考えて、資格取得に挑戦しようと思ったんですよ。でも、九州から慣れない名古屋に来て、生活に慣れたり、アルバイトを変えたりしているうちに、バタバタと時間だけが過ぎてしまい、取るべき資格を絞り込むことができませんでした。2年生になって、ようやく落ち着いたので、今度こそはと思っているんですよ。」なあるほど、資格取得か。ふむふむ・・。

「んで、どんな資格取得をめざしているの?」またまた、突っ込みの嵐。

「はい、通称、宅建士、正しくは、宅地建物取引士の資格です。」

ここで、読者の皆さまのために、「宅建士」について少々解説いたします。「宅建士」とは、不動産取引の専門家のこと。不動産の売買や賃貸物件の斡旋(あっせん)をする際に、土地や建物について専門知識を有していると見なされ、お客様に詳しい説明ができると判断される人材のことです。建築会社や不動産管理会社への就職や転職に有利に働く資格であり、将来は独立開業の道も開ける可能性があります。また、入社する会社によっては、「宅建士」を持っていると、資格手当がつく場合があります。

「伊藤くん、超現実的な資格取得を狙っているんだね。」と私。思わず顔がほころんでしまいました。でも伊藤くん、かえって表情を引き締めました。「簡単に受かる資格ではないことは、十分承知しています。だから、1日1日を大切にしていきます。」

(つづく)