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◇愛情教育、この指とまれ◇その643◇令和の時代を楽しもう。名産大２年生物語 vol.13竹澤 伸一
漁夏輝（スナドリ ナツキ）くん。開口一番、こう語り出しました。
「名産大に入学して、１年以上が経ってしまいました。時間が流れるのが早いですねえ。この１年で、自分の考え方が、ずいぶん老成してきたと感じています。」
ん？老成ですか？ずいぶんとまあ、古めかしい言葉ですね。
「はい、老成ですね。熟達でも習熟でも良いのですけど・・。色々な方々と、会話と言うか、コミュニケーションの取り方がうまくなってきたのを感じているんですよ。高校生の時までは、本当に子どもだったなあと。」
へえ。「子どもだった」という意味は？
「大学１年生の時は、高校生の時の感覚を引きずっていて、色々な人に、自分から声をかけるのが怖かったんですよ。北陸のほうから名産大にやってきて、右も左もわからないじゃないですか。高校生までは、毎日、顔見知りと接していたから、コミュニケーションに何の不安もありませんでした。でも、名産大に来たら、全国あちこちからの出身者だらけでしょう？自分が、いかに井の中の蛙だったかということが、よくわかりました。」
でも、今は大変落ち着いて、ゆとりを持って過ごしているように見えますよ。
「はい。ある時、みんな同じじゃんって気づいたんですよ。誰だって不安を抱えて毎日を送っている。名古屋近辺の地元の人間だって、楽しんでいる中にも、どこかしら不安を抱えている。そうか、そうなんだ。大学生になったからって、そんなに肩ひじ張らずにやっていっていいんだって気づいたんですよ。」
それに、キャンパスにいる人って、みんな優しいですしね。
「そうそう、だから今は、なんか毎日楽しいんですよ。」
（つづく）