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◇愛情教育、この指とまれ◇その815◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.5竹澤 伸一

「小学校の学校支援員をしていますが、中学校でもバレーボール部の外部コーチをしています。コーチをしていて感じるのですが、競技スポーツの原点は、運動の楽しさにあると思うんですね。」

小川翔くんは、ここで一息つきました。小川くんの箴言(しんげん)を聴きたくて、先を促します。

「4種類の教員免許を取得する予定ですが、一番就いてみたいのが、現状では保健体育科の教員です。少しでも、運動の大切さ、楽しさをわかってもらえるような授業を展開したいと思うので、学修や実習、そしてコーチ業にも、今後とも力をいれていきたいと思っています。」

小川くん、教員としての「芯」のようなものを確立してきているように思います。保健体育科の教員、いわゆる「体育の先生」です。ひょっとしたら、名産大の「スポーツビジネス」の、数々の科目を履修してきた影響もあるのかも知れません。

ずっと小川くんと話してきて、私は、過去に出会った2人の「体育の先生」を思い出しました。1人は中学校の先生、もう1人は高校の先生です。ある球技の専門家が前者、ある格技の専門家が後者です。2人に共通しているのは、体育の先生をしながらも、球技、格技の現役の選手として、全国的な競技会に参加し続けている点です。そのためか、日常生活は極めてストイックで、食事にも、睡眠にも(教員は多忙なので、たぶん不足気味ではありますが・・)、もちろん自己のトレーニングにも、相当気をつかっています。そして、その姿を目の前の生徒にさらしているので、ものすごく説得力があります。

私は、中学校社会科教員でしたが、この2人の「体育の先生」の授業を、可能な限り見させていただきました。文字通り、「スポーツを科学する」典型的な授業でした。期せずして2人の「体育の先生」の口癖が一緒だったのを、今でもよく覚えています。「あのね、〇〇くん、△△さん、今君の身体と心に起こっていることは、おそらくこういうことだと思うよ。」こう指摘される生徒は、びっくりして目をパチクリさせます。なぜなら、まさにその通りのことが起こっているからです。生徒主体の、生徒発の授業なのです。

私は、「本物のアクティブラーニング」を「体育の先生」からも学びました。だからでしょうか、教職に向かってアクティブな活動をしている小川くんを、心の底から応援したくなります。

(つづく)