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◇愛情教育、この指とまれ◇その888◇紙上討論、アクティブラーニングについて本音で語り合う。 vol.8竹澤 伸一

「紙上討論」に戻ります。司会の私を、良い意味で無視して(笑)、4人の討論者のやり取りは白熱していきました。そして、ふと、就活コンサルのYさんが、こんなことを言いました。

Y「要は、自分なりの課題を持って授業に臨むかどうかということですね。」

高校教師のSさんが応じます。

S「事前に問いを持たせることは、教師のスキルですね。そして、それに応えて問いを持つことができれば、それは学生自身のスキルと言えますね。」

中学教師のMさんは、こう反応しました。

M「問いを持つというスキルを生徒、あ、学生に身に着けさせるためには、一にも二にも学生をきちんと観察することが必要ですよね。」

中堅商社レディーのKさんが、ため息混じりに述懐します。

「先生の中には、自分の用意してきた演説内容を、学生に伝達するだけで精一杯の人がいます。持ち時間いっぱいしゃべりきると、それに満足って感じです。目の前の学生が理解しようとしまいと、てんでお構いなしなんです。私の会社では、定期的に社内研修がありますが、情報を伝えることだけに汲々としている講師など1人もいません。社員1人1人の資質を向上させなければ、物的・時間的費用をかけて研修する価値なんてないですし・・。」

このやり取りを、じっと聴いていた私は、そろそろ出番だと思いました。

竹「皆さん、ありがとうございます。皆さんのやり取りを聴いていて、まさに文科省が提示した『アクティブラーニングの一般的特徴』の2番目である、『情報の伝達より学生のスキルの育成に重きを置く』が浮かんできますよね。極端なことを言えば、ちょっと賢い人なら、自分の持っている情報を『講義』という形で垂れ流すことは難しくないのです。例えば、運転免許の更新講習のようなものです。でも『情報伝達』を超えて、その情報に基づいたスキル、例えば分析するとか、複数の考えを統合するとか、違う視点から評価するとかの『スキル』を育成することが大事だと思うんです。簡単に言えば、情報をきっかけに問いを持たせて考え始めさせることです。授業の前でも、始まってからでも。」

(つづく、あと112回)