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◇愛情教育、この指とまれ◇その902◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.2竹澤 伸一

「金額には、それほど根拠があるわけではないのですが、5年後には、最低300万円の貯金をしておきたいと思っているんですよ。」

後藤勇輝也(ゴトウ ユキヤ)くんは、茶目っ気たっぷりに語ってくれました。でも、顔は笑っていても、目は真剣そのものだったので、いつもの悪い癖で、少し突っ込んでみることにしました。

竹「後藤くんさ、5年間で300万円とすると、1年で60万円だよね。すると1か月で5万円の貯金か。なるほどね。なかなか堅実だね。でもさ、大卒の初任給が、額面で20万円ちょっと。固定の残業代がついたとしても、手取りで17か18くらい。そこから5万円の貯金かあ。なかなかハードルが高いね。」

後藤くんは、少々鼻白んだように見えました。でも、ふだんから私の突っ込みには慣れているので、すぐに反論してきました。

後「先生、見損なっては困りますね。先生もよくご存知の通り、私の就活の視野の中には、地域貢献を主眼にした金融機関も入っているのですよ。当然、節約はしますが、金融の知識も活かしながら、若い時から資産形成も地道に考えていきたいと思っているのです。」

私は、素直にうれしくなりました。さすが名産大生です。金融も含めた現代ビジネスの素養が、着実に身に着いています。私は、その部分を突くことにしました。

竹「後藤くんは、金融業の中でも、メガバンクや地方銀行ではなく、あえて信用金庫に早くから注目していたよね。それはどうして?」

後藤くん、「我が意を得たり」という面持ちになりました。

後「信用金庫にインターンシップに行った時に、担当職員の方が、こうおっしゃったのです。『良いですか、参加者の皆さん。信用金庫は、地域の最後の砦なんですよ。』と。その瞬間に、自分の中に、信金の大切さがすうっと入ってきたんです。先ほど、資産形成だなんて、少々生意気なことを言いました。でも、個人ではそれを追求するとしても、信金マンとしては地域形成を追求したいと思っているんです。」

(つづく、あと98回)