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◇愛情教育、この指とまれ◇その949◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.49竹澤 伸一

「テレワークの中の公私の切り替え」について、前回触れました。就活生たちは、そんな疑問や違和感も抱きつつ、「コロナの中の新たな日常」に適応すべく、日々、奮闘しています。

ところで、「テレワーク」も「ウェブ面接」も「遠隔授業」も、いわゆる「オンライン」上のことです。オンライン上で、意思疎通と意思決定ができれば、用が足りる部分は確かにあります。でも、「足りている用」が、ほんの一部であることは、少し考えればすぐに露見します。

コロナの日常の中で、時代おくれのこんな私でも、やむを得ず増えたものがあります。ア〇ゾン、〇天、ヤ〇ー・・などの通販サイトの利用です。読者の皆さまのお考えは、それこそ千差万別だろうと思いますが、私は、極力、電子マネーは持ちませんし、電子決裁は利用しません。自分の、最後の砦である個人情報を、見えない何者かに伝えたくないからです。ですから、通販サイトにも、様々なブロックをかけています。

まあ、それはともかく、今まで、可能な限り書店で見てからしか買わなかった書籍を、このところ通販にてかなり買いました。届いてみて、かつて身に着けた「フォトリーディング」という速読法を駆使して、10分ほど読んでみて、「オーマイガー!」と叫んだことも、1度や2度ではありません。書店で見ていたら決して買うことのなかった書籍が、少々増えてしまいました。そして、「ハッと」気づかされました。

コロナ禍の中、止むを得ない「ウェブ面接」なのはわかります。でも、就活生1人1人は、当然のことながら「通販品」ではありません。名産大で、日々、キャリア支援をしていて、私も、止むを得ず、ラインやズーム、チームスを駆使して学生相談に当たっています。でも、企業等の「ウェブ面接」と違うところは、少し前まで、彼らとリアルで接してきたという事実です。この「リアル」という重みは、断じてオンラインには代替できないものです。この点を、本連載の読者の中にも多数いらっしゃる、企業等の採用担当の方々にはわかっていただきたいと思っています。

この原稿を書いている最中、ラインの着信音が鳴りました。朝、7時14分です。5時起きの私の生活習慣を知っている学生です。「どうしたの?」「昨夕、内々定をいただきました。」「よかったねえ。君の良さが、ウェブ越しにも伝わって何よりです。」

(つづく、あと51回)