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◇愛情教育、この指とまれ◇その973◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.73竹澤 伸一

「先生、どうやら私にも、ふつうじゃないことが見つかりました。5年後、10年後かどうかはわかりませんが、気象予報士に挑戦をしてみたいと思います。」

三輪優斗くんは、弾んだ声で語り出しました。私は聴き耳を立てることにしました。

三「実は、名産大のキャリア科目の1つである『気象予報』を履修した時から気にはなっていたんです。なんと言っても一番の魅力は、年齢制限がないこと。ふつうの就職をして、ふつうの生活を続ける中で、コツコツと勉強を積み重ねれば、合格できるかも知れないのです。」

三輪くん、さらに何か言いたげです。私は、促しました。

三「1994年から気象予報士の国家試験が始まり、今では5千人を超える有資格者がいます。なんと、中学生でも合格したり、かなり高齢な人も合格したり・・。5千人もいるという考えもありますが、5千人しかいないということも事実ですよね?」

私は、三輪くんの心に火が点いたことを感じました。そうなれば、マシンガントークです。

竹「三輪くんさ、気象予報士になるには、どんな勉強が必要なのかな?」

三「大気循環学とか熱力学、気象学全般、それに気象衛星等からのデータの解析と加工、そのための情報スキルなどです。情報の出どころは気象庁になるのですが、それを解析して、わかりやすく視聴者や業者の皆さまにお届けしなければなりません。」

竹「なるほど、視聴者というのはわかるよね。要するに天気予報なわけだ。でもさ、業者の皆さまって何のこと?」

三輪くん、ニコッとして言葉をつなぎました。

三「大きな話ですと海運会社ですね。気象によって、最適な航路が変わったりします。安全第一ですから。建設会社はどうでしょうか。工事日程が天気によって変わります。もっと身近なところだと、お弁当屋さんはどうでしょうか。イベントを当て込んだ弁当づくりだと、天気に大きく左右されると思います。つまり、天気によって、気象によって、業務内容が変わる業者の皆さんって、たくさんいると思うんです。」

竹「そうか、そうだよね。三輪くん、なんかうれしそうだね。」

三輪くんは、軽くVサインをすると、研究室を後にしました。

(つづく、あと27回)