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◇愛情教育、この指とまれ◇その93◇林先生、巣先生が育てているもの 竹澤 伸一

 実は、林敬三先生も巣宇燕先生も、外国から日本に留学し、日本に根付いた研究者なのです。ですからある面、日本に生まれ、日本で学び、日本で研究を積んできた研究者と違い、言うに言われぬご苦労があった分、根性(俗な言葉ですみません)と覚悟が違います。今回、改めてお2人に取材して、このことを痛切に感じさせられました。

 ところで林先生は言います。「これからはプログラマーよりもSEの時代」と。に対して巣先生は言います。「Al開発に通じるプログラマー育成が鍵」と。では、この2つの「言」は矛盾しているのでしょうか?

 ここからは、あくまでも私の考えです。林先生はおそらく、「プログラミングという人間の行為すらも、やがて機械に取って代わられる」と言いたいのだろうと思います。に対して巣先生は、「Alという究極の機械も、決して万能ではなく、人間による制御が必要」と言いたいのだろうと思います。つまり人間と機械(コンピュータ)との関係を見る時、人間から見るか、機械から見るかの方向によって見える景色が違ってくると言いたいのではないかと思います。

 ともあれ名産大には、門下生から「経営と情報(技術)を統合できる有意な人材」を出している、2人のすばらしい教育研究実践者がいることは確かなのです。

(つづく)