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◇愛情教育、この指とまれ◇その111◇名産大のリアルな学生像 石田進くん vol.1 竹澤 伸一

 石田進(イシダ ススム)くんは関西の某県の出身。小学校以来ずっと野球を続けてきた偉丈夫です。その石田くんと私は、私の授業を通して出会いました。「地域環境認知論」と名付けられた専門科目です。基本、名産大の教職科目全体を担当するのが私です。しかし長年、環境問題と経済活動、あるいはまちづくりの関係を研究してきたこともあって、「地域環境」に関する科目も持たせていただくことになりました。

 「この科目の目的は、時間を上手にやりくりして、地域に実際に取材活動に行くことです。」オリエンテーションも兼ねた1回目の授業で、私は冒頭、受講者を前にして宣言しました。「へえ、何かおもしろそうですね。それで実際にどこに取材に行くのですか?」大きな身体のサイズに匹敵する張りのある声で、即座に応じてくれたのが石田くんでした。

 私は瞬時にうれしくなり、「尾張旭市役所の環境課に取材に行きます。名産大から徒歩圏に市役所の庁舎がありますが、この中で実際に市役所を訪ねたことのある人っていますか?」しばしの沈黙。そして再び石田くん。「先生、小学校や中学校の社会科見学ならいざ知らず、大学生が、たとえ大学立地の市の市役所だとしても、わざわざ足を運ぶことなんてないと思います。」

(つづく)