還暦を迎えた人間が、ふと自分の学生時代を思い出すことがあります。楽しかったこと、辛かったこと、泣きたくなるようなこと等など、いま振り返るとひとりでにほろ苦さが込み上げてきます。大学卒業年(1975年)、第1次オイルショックに遭遇し、大学で学んだ仲間とともに経済的な煽り(就職難)をまともに受けました。1年先輩の就職状況がとても良かっただけに、それを羨むとともに、極端な経済変動と就職難の厳しさをダイレクトに感じました。
ただ家庭教師や塾の講師など、アルバイトを始めていましたので、若さの故でしょうか、それ程不安はありませんでした。「何とかなるさ」的意識で、頂ける仕事をしっかりとこなしていました。アルバイトですから、当然に時間給です。しかしながら、お金のことはあまり気にせずに仕事をするようにしていました。アウトカムとして結果を出すこと、「お金は仕事の後からついてくる」という考えを自然と持っていました。したがって、むしろ働くことの楽しさ、働くことから学ぶことの方が自分自身では多くありました。
学生の皆さんには、経済不況や就職難が叫ばれる今日だからこそ、常識的な考え方や自分の立ち位置を少し見つめなおして、働くことの楽しさ、学ぶことの大切さを知って欲しく思います。
吉川 智