カテゴリー別アーカイブ: コラム

わからない理由

成瀬健一郎

大学を卒業して企業に就職すれば、大学で学修した知識だけでは全く手に負えないようなわからないことはいくらでも出てくる。医学部などごく一部の専門的学部を除き、学校で教えられることは汎用的なものが多いので、その知識を如何に活用できるかが、その人の社会人基礎力と言える。また、わからないことを如何にわかる様にしていくかということも、仕事をうまく進めていくための要件だと言える。

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それぞれの就活ドラマ

キャリア支援課 松原伸一

照れながらスマートフォンのファインダーに向かってポーズ―。3月18日に行われた卒業式で、何人かの卒業生と記念写真に収まりました。中には、私の手を握りしめ「お世話になりました」と、日ごろ見せたことのない神妙な面持ちで頭を下げる学生もいて、胸が熱くなりました。

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「高大連携フォーラム」に参加して

佐久間孝明

2月7日(土)「高大連携フォーラム」に開催スタッフとして参加し、高校生の発表の様子を見学しました。発表校は3校で、久居農林高校、稲沢高校、加茂農林高校の順にいずれも環境に関わるテーマについて緻密な実験や調査で積み重ねた研究成果を堂々とした語り口でプレゼンテーションをしていました。彼らの発表は高校生のプレゼンに接したことが無かった私にとって非常に新鮮で素晴らしく、一般的な進学校ではない彼らの意外性にある種の感動を覚えました。個々の発表に対してのゲスト2名の学外先生方の講評は的確で、特に名古屋大学名誉教授で県森林公園所長の松本哲男氏の講評は、効果的なプレゼン方法への言及をはじめ、発表内容に対しご本人の経験を踏まえた多方面からの角度で具体的なアドバイスをされ、特に実験の成果というものはいかに諸々の曖昧な要素を検証により封じ込めることが重要であるかという点を明確に説明され、私にとって科学的講評とはこのようなものかとあらためて感じ入ったものです。 続きを読む

障害者の介助をしてみる

昨年末とあるグループの忘年会に参加した際に、前の職場の後輩女性と再会した。声をかけられて初めて気づいた。彼女は忘年会に参加している車いす利用者の若い女性の介助者として来ていた。研修を経て、その日初めて1人で介助をしているとのことだった。 続きを読む

グローバルな資格社会

松下奈美子

世の中には実に多くの資格が存在する。例えば、大学卒業といった学歴から、運転免許から医師免許、建築士資格のように、行政法上一般的には禁止されている行為に対し、その資格を有する者に限ってその行為を許可する国家資格、あるいはナマハゲ伝道師認定試験のように特定地域の魅力を発信するための民間資格まで実に幅広い。 続きを読む

夢・目標・大学の講義

村上 健太郎

インターンシップ、社会人基礎力科目といった、今の大学のカリキュラムに携わった上で自分の大学時代を振り返ると、よく就職先が見つかったなあと思う(私の前職は博物館学芸員である)。少なくとも私は、社会人基礎力といえるような力は非常に低い学生だった。人の目を見て話せない。好きなことには集中できるが、嫌いなことは頑としてやらない。他人との共同作業が苦手で、自分の価値観だけで生きる学生だった。卒論発表会のとき、決められた発表時間を守らなくて、ゼミ担当の先生にしかられたのをよく覚えている。 続きを読む

小さい時間の断片

例えば、締め切りが迫っているのに仕事が思うように進んでいない時、明日が試験日なのに十分な学習ができていない時、依頼された仕事を断る時、その理由として、我々は「時間がない」という言葉をよく使う。

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打ち上げられた貝

あるラジオ番組のナレーターが話していたことを思い出した。

夏の日、青く澄み渡る空、広い白砂の浜辺におびただしい数の貝が打ち上げられている。遠くから見れば、浜辺一面が貝で多い尽くされているかのようである。前日の台風で潮に流されて打ち上げられてしまったのだろう。炎天下の折、数時間もすれば干上がってほとんど全部死んでしまうだろう。そこでひとりの男がなにやら動いている。よく見るとその男はいくつか貝を掴んでは海に投げ戻している。おびただしい数の貝のほんの数個を掴んでは、干からびて死んでしまわないように海に返してやっているのである。

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