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◇愛情教育、この指とまれ◇その35◇松下奈美子先生の社会認識系の授業vol.1 竹澤 伸一

 松下奈美子先生は気鋭の社会学の研究者です。「人はなぜ国境を越えて移動するのか」ということを実証的に研究しています。社会学に対する私の理解は、様々な人間関係を社会の構造に絡めて具体的に観察し、そこから何が見えてくるのかを明らかにする学問となります。だから研究の守備範囲は限りなく広くなり、見つめる個々の人間も無限の広がりを持つのです。そのせいか松下先生が名産大で担当する授業は実に多岐にわたります。

 教養系では社会学、政治学、日本史、外国史。キャリア系ではキャリアデザイン。専門科目としては国際社会論。そして教職系では社会科教育法。おそらく「人間そのもの」への深い洞察力があるからこそ、広範囲の授業をカバーできるのだと思います。

 実は本連載を開始するにあたり、名産大の全学生を対象に「(学生目線で)良い授業発掘アンケート」を実施しました。その結果、学生からのレスポンス(反響)がもっとも大きかったのが松下先生の一連の授業だったのです。そこであえて連載の慣習を破って、次回から回数を増やして、私なりに松下先生の授業を解剖していきます。お楽しみに。

 と、その前に、1つのキーワード。「人間という生き物は、いつの時代も何と愚かな存在なのだろう。」

(つづく)