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◇愛情教育、この指とまれ◇その36◇松下奈美子先生の社会認識系の授業vol.2 竹澤 伸一

 「人間という生き物は、いつの時代も何と愚かな存在なのだろう。」松下奈美子先生が担当するすべての授業で、学生に気づいてほしいと願っていることです。松下先生は本来、社会学がご専門ですが、思考のベースとして歴史学(歴史認識)があるそうです。だから10代、20代の若者に気づかせてあげたい。「人間は千年前も二千年前も、決して万能ではなくて、弱くて愚かな存在なのだ。」ということを。苦しんでいる人を騙し、奪い・・を繰り返してきた存在なのだということを。

 私は長年、中学校を中心に社会科を教えてきて、「いつの時代も愚かな行為を繰り返す人間の愚かさ」について考えてもらうことの大切さに気づくことができませんでした。今更ながら申し訳ない気持ちでいっぱいです。だからこの「社会(歴史)認識の本質論」に気づかせてくれた松下先生に心から感謝したいと思っています。と同時に、多くの高校生・中学生の皆さんが名産大に来て、松下先生(の授業)に触れてほしいと、心から願っています。

 「歴史とは現在と過去との絶え間ない対話である。」イギリス人の歴史家であるE・H・カーが述べた言葉です。『歴史とは何か』岩波新書(2014再版)をまた読みたくなりました。

(つづく)