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◇愛情教育、この指とまれ◇その119◇名産大のリアルな学生像 山村一成くん vol.3 竹澤 伸一

 名産大で硬式野球部の活動を全うした山村一成くん。それでも「悔い」が残ることがあるそうです。「この4年間の中で、様々な事情から、野球部の仲間が辞めていったことです。」野球部に限らず、名産大は「面倒見の良さ」が光る大学。退部者も退学者も滅多に出ません。けれども特にアスリートは、どうしてもケガが付きもの。ケガによって競技を断念する学生は出てきます。「マネージャーになるとか、選手とは違う形で部に残った仲間もいるのですが、中には部から去った仲間もいます。自分も含め、何とかしたかったのですが、自分の無力さを感じました。」

 この心情、私にはとてもよくわかります。実は私は中学校教員の時、剣道部の顧問を長く務めてきました。関わった部員は900人超。ケガや家の事情、あるいは部員同士の人間関係等が原因で、退部の危機に陥った部員を何人も見てきました。せっかく続けてきた競技を断念することは本人も辛いですが、同じ志を持った者として、周囲も辛いのです。山村くんの「人間力」は、仲間の辛さ・悲しさを自分のこととして感じ取る「優しさ」も兼ね備えていることが理解できました。

 そんな山村くん。いよいよ就活となって大揺れに揺れました。次回以降、そのあたりを掘り下げていきます。

(つづく)