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◇愛情教育、この指とまれ◇その175◇アクティブラーニングは学生が主役 vol.5 竹澤 伸一

 「学生1人1人の『願い』や『思惑』を無視した授業など考えられない」私なので、学生を知るために色々なことを試みてきました。今でこそ大学で教職課程を中心とした授業や学生支援をしていますが、その原点はやはり、およそ30年間務めた中学校教員時代にあります。そこで今からしばらくタイムスリップすることをお許しください。30余年前、私は少々回り道して中学校教員になりました。現在は「初任研」と言っておりますが、当時は「新採研」という名の研修会がヒヨコの私たちに課されました。そこで私は、H先生という今でいう教育事務所の指導室長と出会いました。研修会の冒頭、H先生は使い古した竹ぼうきを持って我々の前に登場しました。そして上下逆さまにした竹ぼうきを我々に示して、「ここから何がわかる?」と問うたのです。

 しばしの沈黙。私は文字通り心臓をバクバクさせながら挙手しました。「ほう、何がわかる?」私は思い切って答えました。「集団でいる生徒たちに見えます。」一瞬の沈黙。「偉い!」その場の空気が震えたのをよく覚えています。

 読者の皆さま、私が答えた意味がおわかりになりますか?H先生が思わず「偉い!」と叫ばれた意味がおわかりになりますか?どうか明日までお待ちください。

(つづく)