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◇愛情教育、この指とまれ◇その236◇名産大新入生の夢をご紹介します。 vol.46 竹澤 伸一

 田中碧翔くんの、「大学で研究者になって、子どもたちが抱える不安への対処法について研究したい。」という「夢」。ぜひ応援したいと思います。そこで参考までに、なぜ中学校教員であった私が、大学の研究者になったのかをお話しします。公式な何かに書くのは初めてになります。参考になれば幸いです。

 私は中学校で社会科を教えていて、いつも疑問に思っていました。社会科を学ぶことが、その子の人生にとってどんな意味があるのだろう。とりあえず、「先生、なぜ社会科を勉強するんですか?」と、素朴な疑問をぶつけてきてくれた生徒には、「世の中に出て、だまされないで生きていくためだよ。」と答えてはいましたが、常に煮え切らない思いを抱えていました。

 そんな時、1人の卒業生から連絡をもらいました。「先生、〇〇に就職することができました。先生と一緒に中学校で△△の活動をしたことが、巡り巡って決め手になりました。」そこから1000人を超える卒業生の、ライフヒストリーの研究が始まったのです。社会科を学ぶ意味を、卒業生の人生そのものが教えてくれるようになりました。

 田中くんの「研究したいこと」の原点も、考えてみれば中学校での体験にあるのですよね?田中くんには、ぜひ初志を貫いていただいて、将来、研究者として交流していきたいと願っています。

(つづく)