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◇愛情教育、この指とまれ◇その344◇明日への飛躍をめざして 名産大3年生物語 vol.4 竹澤 伸一

 「ところで先生は、授業中眠たくなったことがありますか?」ある日の授業の開始前に、野上夢斗くんから突然聴かれました。私は、一瞬言葉に詰まりました。でも正直に答えました。「何度もありますよ。今は、授業を『する』側だから、眠たくなることは金輪際ないけど、教員になってから受けた講義の中には、10分もしたら眠くて眠くて、どうやって目を開いているふりをしたら良いのか、困ってしまったこともありましたよ。」

 野上くんは「そうですよね。」と言って、次のような話をしました。「竹澤先生の授業は、まさに授業なので、いっさい眠くなることがありません。でも、やはり講義はだめですよね。油断すると眠たくなってしまいます。」

 この会話をきっかけに、野上くんと「授業と講義の違い」について、度々話すことになりました。野上くんは言います。「講義しかしない先生は、その講義内容が、どこまで学生に伝わっているか、もっと言えば心に響いているか、どうやって確認しているんですかね。もし、学生の前でしゃべるだけで、理解度を確認していないとすれば、それはプロとは呼べないですよね。」

 やはり「プロ志向」を体現している野上くん、授業の本質がよくわかっています。野上くんが授業や部活動、ゼミやアルバイトを通してつかんでいるのは、「双方向性に基づいた相互理解」だということがよくわかります。

(つづく)