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◇愛情教育、この指とまれ◇その353◇明日への飛躍をめざして 名産大3年生物語 vol.13 竹澤 伸一
「どんなに状況が過酷であっても、高校の教員になりたいという夢は、捨てないで頑張りたいと思います。」中嶋涼太くんは、静かな闘志をみなぎらせて言います。
「どんなに状況が過酷であっても・・」の意味は、そもそも(高校)教員の採用状況が絶望的に厳しいことを意味しています。都道府県にもよりますが、中学校や特に高校のある教科の教員の採用数が、数年連続してゼロなどという実態がふつうにあるのです。正常な状況とは、とても思えません。
少子化が根本的な原因だということは、誰でもわかっています。ただ、私が中学校の現役教員だった時も、あるいはそれ以前からずっと訴えられてきたことですが、「学級定員の壁」が頑として立ちはだかっていることも、問題の核心としてあります。
読者の皆さまもよくご存知の通り、日本の小・中・高等学校の学級定員は、原則40人です。極めて単純化して記すと、ある学校のある学年の人数が120名だとすると、担任の先生は現行では3人ですが、もし「30人学級」になれば4人必要になります。副担任とかの先生を加味すると、必要教員数はもっと増えます。
色々な面で限界が見えてきている日本の教育の昨今を考えれば、中嶋くんのような、真摯に教職と向き合っている学生の採用が、何年も待たされるような現状は変えたいと思っています。初志を変えない中嶋くん、応援していきたいと思います。
(つづく)