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◇愛情教育、この指とまれ◇その412◇明日への飛躍をめざして 名産大3年生物語 vol.72 竹澤 伸一
「政治学の授業で、教材に著名なマンガが使われていました。政治に対する理解が深まって、興味深かったです。」國枝裕くんは、情景を思い出しながら語ります。「竹澤研究室もマンガだらけですが、マンガって、下手な本よりも、味わい深いですよね。」さすが、思慮深い國枝くん、マンガの教材的価値をわかっています。
國枝くんが指摘した「政治学」の授業では、中国の王朝の興亡が取り上げられています。「国家の誕生」「政治システムの確立」「支配体制の変遷」「国民の政治参加の変化」等、王朝興亡史の中には、「権力」「統治」「支配・被支配」の概念が、ふんだんに、具体的に出てきます。
このドラマチックな展開を俯瞰(ふかん)するには、マンガは打ってつけだと思います。さて、このダイナミックな授業を仕掛けている先生は誰でしょう。本連載の過去ログを探っていただいて、メールなど送っていただければ幸いです。
私の研究室に置かれているマンガの多くは劇画です。現代の国際情勢や、江戸時代の世相を、確かな時代考証に基づいて描き切った巨匠の作品が中心です。時々、ふらっと立ち寄って、マンガだけ読んで去っていく学生もいます。
國枝くんの思慮深さは、教員の意図の裏側を、確かな目で見極める、洞察力がベースになっている気がします。
(つづく)