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◇愛情教育、この指とまれ◇その465◇まもなく社会人 名産大4年生物語 vol.35 竹澤 伸一

 「番外編でも紹介していただいたように、私は金融機関に就職いたします。そこで、その準備として、取れるだけの資格を取っておこうと思っています。」坂口和馬くんは、変わらない目力を湛えながら語ります。

 「それと、経済小説を読んでいます。事実は小説より奇なり、なのかも知れませんが、自分の今後の生き方のシミュレーションの意味も込めて、読み込んでいこうと思っています。」

 坂口くんの卒業間際の生活、本当に中身が濃いです。行為・行動の1つ1つに、深い意味が込められています。

 「でも・・。」と一呼吸置いて、坂口くんは次のように語り出しました。「実は私は、多動的に生きたいと思っていて、1つの職業に留まらないつもりなんです。金融という枠にも留まらないかも知れません。だから、膨大な知識が必要なんです。知識の蓄え無しに、いくら夢を語っても、それは絵に描いた餅に過ぎませんから。」

 この話で合点がいきました。名産大の研究棟には、主に教員が活用する研究室の並びに、学生用の自習室があります。そこで、ほぼ毎日のように坂口くんを見かけます。私も、授業準備や研究活動で、時々遅くなることもあるのですが、灯りが点いている自習室を覗くと、坂口くんの背中が視野に入ってくることがあります。就活が成って、半ば浮かれている学生をよそに、坂口くんの精進。すでに大器の片鱗があります。

(つづく)