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◇愛情教育、この指とまれ◇その508◇アクティブラーニングはやっぱり学生が主役 vol.8 竹澤 伸一

前回ご紹介した、実務家集団が「ケース」に基づいて展開する「アクティブラーニング」の授業には、「学生とゲストティーチャーの実務家と担当教員とがコラボしている授業」という、学生からの声が多数寄せられています。これはまるで、西尾市立一色中学校の伊澤直人先生の「地域のゲストティーチャーとコラボした、まちづくりの授業」と同じものと言えます。大学だって、中学校と同じような「アクティブな授業」が十分可能なのです。

この授業は、まず事例の検討から入り、経営組織の基本戦略について押さえます。次に「牛肉の偽装問題」や「ブラックバイト」を事例に、経営組織の病理について検討します。大切なのは、「牛肉の偽装」も「ブラックバイト」も、大学生が関心を持ち、身近な問題でもあり、かつ場合によっては身につまされる問題でもあることです。巷で出回っている既成の「企業ケース」の大半は、社会人経験のある大学院生にはマッチしますが、就業経験の乏しい学部生には「空理空論」となってしまう危険性が高いのです。この授業の担当教員は、学部生の実態と生活感を十分踏まえた上で、お招きする「実務家ゲストティーチャー」と入念にすり合わせて「ショートケース」を選定しているのです。まさに「アクティブラーニング」の基本であり、王道でもあります。

この授業の終盤は、モチベーション理論とリーダーシップ理論を駆使して、経営組織能力を高める提案を学生にさせています。提案をするためには多くの議論が必要なため、学生たちは身に着けつつある「説明的知識」を総動員して提案に至ろうとするのです。

 

(つづく)