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◇愛情教育、この指とまれ◇その556◇令和の時代を生き抜く 名産大1年生物語 vol.6 竹澤 伸一
Aさん(仮名)。名産大と姉妹校の名古屋経営短期大学の学生です。大きな「目的」を持って、「教育原理」の授業を履修します。このように名産大と名経短大は、単位互換の制度があります。
「私が、名経短大に魅力を感じたのは、福祉心理士をはじめ、多くの資格取得ができるところにあります。多くの専門職の方々の授業が受けられ、官・学・民・公が一体になり、打ち出している地域交流にも、大きな興味を感じています。」
実はAさんご自身、社会人で実務家なのです。かつて児童養護施設等に勤務され、世の中の矛盾や、家庭の様々な問題に第一線で立ち向かってこられました。そこでいったん立ち止まって、学びを深めるために名経短大の門を叩き、なおかつ名産大の「教育原理」の授業にも参加されたのです。
Aさんは、「教育原理」の1回目の授業がおこなわれる前に、私の研究室を訪ねてこられました。実は、私もかつて中学校教員の時、児童養護施設に派遣されたことがあります。お話を始めると、たちどころに意気投合し、共通の話題でいっぱいとなりました。我が国の、とりわけ児童養護施設を取り巻く環境は、「これで先進国と言えるのか?」と思うほど、苛烈を極めています。Aさんは、その環境を冷静な目で見つめ直すためにも、「福祉の目で教育をとらえ直す」ために参加されるのだろうと思います。
Aさんをお迎えした「教育原理」の授業は、おかげさまで豊かになるだろうと、容易に想像がつきます。私は、教育の思想や歴史、制度や法規、学校教育と生涯学習、カリキュラム等の検討の中で、常に「福祉の目(芽)」をお持ちのAさんを意識して運営・進行します。時には、Aさんとコラボして、問いを立て、他の学生に迫っていくこともします。1年生にとっても、楽しみが増えました。
(つづく)