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◇愛情教育、この指とまれ◇その608◇令和の時代を生き抜く 名産大1年生物語 vol.58 竹澤 伸一

Eくん(仮名)に寄せたメールも、徐々に数を増しています。

「どうして?」様からのメール。「(前略)Eさんを始めとして、教育原理の授業で学んでいる皆さんにとって、『悩んでいます』さんのお父様に起こったできごとは、他人事ではないのでしょうね。私も、高校でサッカーをやり、将来は体育の先生になりたいと思っているので、同じく他人事ではありません。(中略)Eさんは、選手として、やれるところまでやり切った後で教職を考えていらっしゃるようですが、私は、できるだけ早く学校現場で活躍したいと思っています。(中略)竹澤先生も、紙一重のところで病気にならずに済んだという意味のことを書いていらっしゃいました。つまり、学校の先生って、特に部活の顧問の先生って、そこまでのめり込んでしまうほど魅力があるってことでもあると思うんです。(中略)1年生の皆さまは、葛藤を続けていらっしゃると思います。それはとても大事なことだと思います。(後略)」

続いて「厩戸皇子(うまやどおうじ)」様からのメール。「(前略)私も、竹澤先生が、聖徳太子を教育家として扱ったのは、かなり無理があると最初は思いました。でも、日本で最初の役人登用制度をつくったことの、根本を探っていくと、太子が重んじた仏教の平等思想に行き着くと解釈する研究者もいるらしいとのことです。(中略)つまり、蘇我氏が全盛の頃は、豪族出身でなければ、国家レベルでは出世の道はありませんでした。でも太子は、出身など関係なく、能力さえあれば出世できるとしたのです。これなら人々に学ぶ意欲が出てくると。(中略)もしここまで読んで、Eさんたちが日本教育史を学べているのなら、とてもうらやましいことだと思います。(後略)」

Eくんたちの、教育史を通した学びが、読者の、特に高校生の皆さんの琴線を少し動かしているようです。ありがたいことです。

(つづく)