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◇愛情教育、この指とまれ◇その610◇令和の時代を生き抜く 名産大1年生物語 vol.60 竹澤 伸一

「本日の教育原理の授業で、私の中の聖徳太子像は、完全に置き換えられました。」

吉川悠斗くんは、目から鱗の状態で語ってくれました。「私は、小野妹子とセットで聖徳太子を記憶していました。遣隋使の、『日出ずる処の天子・・』の国書の逸話です。隋の皇帝の煬帝が怒った話です。歴史について、よく知らない身の私であっても、何か興奮した覚えがあります。」

ここで吉川くんは、何か思い出したようでした。「そういえば友だちが、聖徳太子なら、『柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺』って言ってました。友だちにとっての聖徳太子は、やはり法隆寺なんです。私たち学生にとっての聖徳太子像なんて、せいぜいそんなところじゃないでしょうか?」

私は、吉川くんがまだ語ってくれそうなので、待つことにしました。「ところがですよ、竹澤先生が教えてくれた聖徳太子ランキングでは、冠位十二階の制がダントツで第1位にくるとか。でもよくよく考えてみると、確かにそうですよね。ある面で平等な役人登用の制度を、本格的に導入したのは、確かに聖徳太子ですもんね。」

読者の皆さま、いかがですか?吉川くんも、メールをくださった「厩戸皇子」様同様、太子を巡る「学びのネットワーク」の一員になっていますよね?「聖徳太子と言えば十七条の憲法」というステレオタイプの反応は、もはや見られません。

吉川くんは、大谷翔平選手にあこがれ、大谷選手のようになりたいと思っています。けれども誰でもそうですが、「思う」だけでは現状から一歩も進めません。「思う」を「思い続ける」に進化させ、「思い続ける」を「実行に移す」まで具体化させてこそ、
人は目標に近づけるのだと思います。吉川くんの「学びと実行の種」を、ご一緒に育てていきたいと思います。

(つづく)