NSU News

◇愛情教育、この指とまれ◇その621◇名産大のキャリア支援の今をお伝えします。 vol.01竹澤 伸一

今号から10回にわたって、「名産大のキャリア支援の今」と題して連載いたします。名産大は、「愛情教育+職業教育=実践教育」を「売り」にしている大学です。そして、様々な仕掛けと刺激を受けて、自ら「職業意識」に目覚めた学生を「応援する大学」でもあります。

そこでまず、そもそも「キャリア支援とは何か」について、私見も交えて記していきたいと思います。読者の皆さまも、よくご存知のように、戦後の日本の教育は、長らく「6・3・3・4制」を採ってきました。そしてこれもよくご存知のように、小・中学校の9年間は「義務教育」、それ以降の「高等教育」は、生徒自らが選択して学ぶという体制が続いてきました。

現在、還暦の私が中学生の頃は、地域によって差異はあるものの、いわゆる「中卒」で社会に出て働く者は、別に珍しくもありませんでした。うっすらと記憶に残っている光景があります。私が通っていた田舎の中学校に、都会の工場から社長さん(?)が来て、すごく印象的な笑顔で、同級生の何人かに、4月からの仕事の内容を語っていました。それから十数年の後、中学校教師となった私が最初の卒業生を送り出した時、「中卒で就職」する者は、めっきり減っていました。時代は大きく変わっていったのです。

間を端折ります。私の中学校教師生活の後半になると、中学校でも「キャリア教育」が全盛になっていきました。もちろん、私が中学生の頃にもあった「職業教育」とは、質的にまったく異なります。いわゆる「ニート対策」も含めた「キャリア教育」に変質したと言っても、大きくは間違ってはいないと思います。

前職の大学でもそうでしたが、私は「教員としてのキャリア支援部門」に所属し、自ら望んで責任者になりました。ですからこの連載は、私の覚悟の表明でもあります。

(つづく)