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◇愛情教育、この指とまれ◇その719◇続、名産大のキャリア支援の今をお伝えします。 vol.9竹澤 伸一

名産大竹澤ゼミの3年生が、今年の夏季インターンシップで気づかされたことの2つ目は、「その業界から撤退するためのインターンシップもある。」ということでした。

あるゼミ生が、インターンシップを終えて、研究室に報告に来ました。「先生、今日1日、本当に辛かったです。」開口一番、この言葉が出ました。

「どうした、何があった?」私は、むしろ興味津々で、こう聞き返しました。次のゼミ生の語りを、読者の皆さま、どう受け止められますか?

「インターンシップ冒頭から、業務拡大、成長産業、シェアの拡張、研修の徹底、ノルマの管理、AIの導入・・の説明の連続なんですよ。20人のグループが6つありまして、全体説明の後でグループミーティングをおこなったのですが、やはり最初から最後まで、いかに会社を成長させるかだけなんですよね。なんのためにその仕事をやるのか、その仕事をすることで、世の中がどう変わるのか、世の中にどう貢献することができるのか、自分にとって肝心なことは何も語られないんです。」このゼミ生は、「もっと立ち止まって考えられる業界に行きたい」と、方向性を変えました。

3つ目の気づき、です。あるゼミ生の報告。「良いのか悪いのかわからないのですが、昨日参加したインターンシップの次の日程が示されて、その場で希望すれば選考を実施しますと言われました。まだ3年生の間にですよ。報道もされていますし、ゼミでも議論しましたが、就活は確実に前倒しになっているのですね。新卒一括採用は、遠からず消えて、竹澤先生がおっしゃる、大学生は入学後は常在戦場が本格化するという実態を、肌身で感じてきました。」

インターンシップは、「行ってみて初めてわかる」ことの連続です。そのためには、まず初動。家や部屋、キャンパスにとどまっていては、見えるものが限られます。

(つづく)