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◇愛情教育、この指とまれ◇その722◇ 令和の時代に挑戦しよう。 名産大3年生物語 vol.2竹澤 伸一

「私は今、ある分野の指導者の道に進もうとしています。そのためには、幅の広いコミュニケーション・スキルを身につける必要があると感じています。」半田彪人(ハンダ アヤト)くんは、1つ1つ言葉を選びながら語ってくれました。

半田くんの言葉で気になるのは、「ある分野の指導者」の「指導者」と、「幅の広いコミュニケーション・スキル」の「幅の広い」です。ではまず、「指導者」について考えてみましょう。

「指導者」と呼ばれる人々には、色々な方がいます。先生、監督、コーチ、〇〇長と呼ばれる上司、集団のリーダー、職人の世界の親方、宗教の伝道師、芸能の世界の師匠などなど。指導を受ける者たちに対し、「正しいと思う方向を指し示し、適切な方法で導く」ことが「指導」に当たります。従って、方向性や方法に誤りがあれば、それはもはや「指導」には値しないことになります。

「指導者の道」に進む意思を表明している半田くんは、十分その資質があると、私は判断しています。「方向性や方法」は、大学3年生という位置では、当然完璧ではありません。でも、より良い「指導法」を模索してやまない姿勢は、同年代では群を抜いていると、私は判断しています。その意味で、大変楽しみな存在です。

次に「幅の広い」に着目します。半田くんが言う「幅の広さ」は、指導対象の年齢の幅を意味します。幼児から大人までと、相当な幅があるのです。考えてみれば、これは大変な「幅」です。例えば「指導者」の1つに分類できる幼稚園教諭なら、指導対象は3歳から5歳の幼児ですし、かつての私のように、中学校教員なら「幅」は3歳分しかありません。「幅」が限定される分、知識もスキルも限定されるので、難しさはもちろんあるものの、やりやすさはあります。

しかし半田くんのめざす「分野」の「指導対象者」は、あえて言うなら、全年齢に及ぶのです。言葉かけから始まって技術の伝え方、反応を見ての評価の仕方まで、年齢によって全然違ってくるのです。

読者の皆さまには、未だ、半田くんのめざす「分野」については、お示ししておりません。ここはあえて消化不良のまま、しばらく原稿を進めさせていただきたいと思います。

(つづく)